嚢舌類ウミウシモデル生物化ミニシンポジウム開催のお知らせ

2025年11月16日(日)に奈良女子大学にて「嚢舌類ウミウシモデル生物化ミニシンポジウム」が開催されます。

一部のウミウシでは、プラナリアなどでお馴染みの「自切」がみられますが、ウミウシは頭部のみを残して胴体を自切することが知られています。そして、約3週間で心臓を含めた胴体をすべて再生することができます。明確な形の心臓を持つ動物ではこのような再生能力は確認されておらず、大変面白い現象です。

このように頭部だけで生存できる理由のひとつとして、「盗葉緑体現象」が関与している可能性が考えられています。ウミウシの盗葉緑体現象とは、摂餌したアオサ藻が持つ葉緑体を自身の細胞内に取り込み、数ヶ月に渡って葉緑体の光合成能力を維持し栄養を得る現象のことです。ウミウシには頭部にも葉緑体が存在するため、心臓がなくとも光合成によって酸素とエネルギーが得られるのではないかと考えられています。

さらに、通常藻類では葉緑体が光合成するために必要な遺伝子の多くが核に存在しているため、単離された葉緑体単体では光合成を行うことはできません。そのため、光合成関連の遺伝子を持たない動物であるウミウシが、どのようにして盗葉緑体で光合成できるのかは謎でした。かつては遺伝子の水平伝播による可能性が考えられていましたが、近年その可能性は低いことが明らかになってきました。


面白い生態をもつウミウシのシンポジウムに、ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか!オンライン参加も可能です。

下記リンクまたはQRコードからお申し込みいただけます。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfZ1LH6ainzYSoVj8T92nEfmLoosqOkRVdqi5ThM6FZU_bdBA/viewform


我らが神谷先生のレクチャーもございますので、奮ってのご参加をお待ちしております!

東京海洋大学 藻類学研究室

こちらは2024年度以降の新しい公式HP (旧HPはhttps://kaiyodai-sorui.themedia.jp)

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